6学年 社会科 「情報の正確さを判断する方法を知る」
単元名 「戦争と人々のくらし」
授業者 八代市立有佐小学校 近松 茂治 教諭


◆ 情報モラル教育のポイント

 (1)

授業のねらい

 ・
 

戦争が長引く中での国民の暮らしを調べ、国民の暮らしがどう変化していったかを考えることができる。


 (2)

情報モラル教育の視点

 
 

本単元は情報モラル教育のモデルカリキュラム「3安全への知恵e3-1 情報の正確さを判断する方法を知る。」との関連を重視して展開する。

  

戦争によって国民の生活がどう変化していったかを考えさせる際の資料の一つとして、誤った情報を掲載した戦争中の新聞記事を提示することで児童の関心が高まるようにする。


 
 

戦時中の新聞は、大本営発表に基づいていたため事実と一致しないことが多く、情報統制の恐ろしさ、愚かさを児童に理解させるとともに、受け取った情報だけを信じて判断せず、別の方法で確かめることの大切さを気付かせるようにする。


◆ 本時の展開
 (1)
  
目標
  

戦争が長引く中での国民の暮らしを調べ、国民の暮らしがどう変化していったかを考えることができる。

 (2)展開 


過程

学習活動
○主な発問 □指示

予想される児童の反応

指導上の留意点・評価
備考
導入5分

1 戦争中の新聞記事と事実を比較し、戦争中は情報統制がなされていたことを知る。

 

大本営の、情報統制の目的はなんだったのだろう。

・新聞に嘘の記事があるなんて聞いたことないな。




○当時の新聞は児童には読めない部分が多いので、解説を記入しておく。



戦争中の新聞記事



展開15分

2 戦争中の国民のくらしについて調べ、発表する。
○戦争中の国民生活は、どのように変化していったのだろう。

・色々な物が足りなくなってきている。
・国民徴兵令で、国民は兵士にならなければならなくなった。
・戦争に協力させる制度が増えている。

 徹底指導(ポイント)
◎調べる視点を提示し、どの視点から調べるのか、選ばせるようにする。
・生活必需品の供給
・戦争に協力させる制度
・当時つくられた標語

 

  8分3 めあてに対する自分の考えをまとめる。

○大本営の情報統制の目的は何だったのだろうか。

まとめ方や発表の仕方の例
「大本営の情報統制の目的は、○○だと思います。わけは、△△だからです。」






・苦しい生活の中、国民を戦争に協力させるためには、情報統制が必要だったのではないかな。
・国民に負けていることを教えると、国民のやる気が無くなってしまうのではないかな。
・戦争に勝つためには、国民をコントロールする必要があったのではないだろうか。




◆思考・判断・表現② 
(ノート)
B基準:情報統制の目的を、人々の暮らしが苦しくなっていったことと関連させて考え、説明している。

 

A基準:具体的な資料をもとに人々の暮らしが苦しくなっていることを根拠にして、情報統制の目的を説明している。
<B基準に達しない児童への手立て>
敗戦が続くニュースを聞いたとき、人々はどう考えるかという視点を与える。

 
  12分

4 考えを交流する。
□班ごとに意見を交流し、まとめましょう。

 

【言語活動】(設定の意図)
互いに意見を発表したり、聞いたりする活動により、児童の思考が深まるようにする。

・そんな考え方もあるのだな。
・お互いの考えに共通点はないかな。
・どうしてそう考えたのか、もっと理由を聞いてみたいな。


能動型学習(ポイント)
◎全体での交流の前に、少人数での意見交流をさせることにより、一人一人が主体的に参加できるようにする。その後、班ごとに意見をまとめ全体に発表させる。

ホワイトボード




整理5分

5 本時の学習を振り返り、まとめをする。
□今日の学習を振り返りましょう。


 

・新聞さえも戦争に利用するなんて、戦争って怖いな。
・すべての情報が正しいとは限らないんだな。

○戦争中は、新聞やラジオでさえも戦争に利用されることを押さえ、現在に生きる私達も情報の正確さを判断する力が必要であることを伝える。