情報科 1学年
「著作権を通して身近なことがらを考える」
単元名 「ネットワーク利用の心がまえ」
授業者 済々黌高等学校 河津 辰巳 教諭



授業映像

学習指導案

ワークシート1

ワークシート2


◆ 情報モラル教育のポイント

 (1)

授業のねらい

 ・

身近な事例を通し、法律を基に著作権の侵害となるかどうかの判断をする力を育成する。


 (2)

情報モラル教育の視点

 

知的財産権を侵害することが、他人の財産を奪うことだという認識を持たせる。

身近な事例を通し、法律を基に著作権の侵害となるかどうかの判断をする力を育成する。

著作物を利用する場合の手順を知り、新たな創作活動につなげる心を育成する。


◆ 本時の展開




過程

学習活動と主な発問

予想される生徒の反応

指導上の留意点と評価
備考
導入10分

1 本時の授業内容の確認。著作権とはどのような権利かワークシートに記入し、発表する。

2 生徒が授業で作成し、著作権上問題があると思われる「マーク」を数点提示し、意見を聞く。

3 良かった「マーク」を提示し、教師が改良した新たな作品を見せる。本人に、その感想を聞く。

4 著作権の捉え方について、問題提起をする。

・著作権:他人の作品を使ってはいけないもの。



・冗談で作った作品であり、あまり罪悪感はない。



・「改善」という名目があれば、作品を改良してもよいのか。



・何名か発表させ、答え方にどのような違いがあるか確認する。

・作成した生徒が非難されることがないように、だれしも作り得ることとして捉えさせる。

・よいものを作るための改良は許されるのか。

・自分の著作物を守ることを通して、他人の著作物を見るようにする。
・著作権とは、「利用してはいけない」だけの権利だろうか。







展開35分

5 知的財産権の種類と分類をワークシートに書き込んで確認する。

※隣同士数名ずつのグループに机を合わせる。
6 著作権がいつできたか、その背景について、スライドの選択肢より選ぶ。

7 映画やテレビが少ない時代になぜ、著作権ができたか。
→ベルヌ条約の関係。国家近代化のため。

8 知的財産基本法ができた社会的背景を知る。教師が資料を読む。

9 生徒が作ったマークは、どの権利に属するか。作品として公開:著作権商業目的で利用:商標権となることを知らせ、著作権は自動的に付与されるが、商標権は申請とお金が必要でることを理解させる。

10 冒頭での「改善」を、本人が納得する形で行うには、どのような方法が考えられるか。

11 音楽や書籍のデータを利用する場合、管理団体(JASRACとJRRC)があることを知る。

12 海外の著作権や、国際的な取り決めについて知る。

・産業財産権はわからない生徒が多い。



・グループで話し合い、答えを選ぶ。


・文学や音楽などの著作物がいっぱいあったと考える。



・知的財産権は、国の将来を変えるほど大切なものであると実感する。

・著作権は考えるが、商標になるとは考えにくい。







・本人に確認を取ることが一番確実だと理解している。しかし、有名人の著作物を利用する方法は知らない。
・スライドを見ながら、管理団体の存在と利用方法について知る。


・著作権は、全ての国で共通だと考えている。

・2人指名し、黒板に書かせる。



・グループ形式で答えをまとめさせる。


・江戸時代から印刷技術はあった。映画やテレビは少なくても、情報の複製はできる。


・著作権を守る立場だけでなく、著作物を利用する立場の人間にも有利なものと感じさせる。

・自分の作品が商標として、利用できる可能性があることを知る。










・JASRACやJRRCを紹介し、身近な存在として意識させる。


・外国にもそれぞれ異なった著作権があることを知らせる。【知識・理解】





















① ②







① ②














終末5分13 まとめを聞く。
・知的財産権は、国の将来に関わる大切な権利。
・便利で、何でも簡単に手に入る次代だからこそ、苦労して作ったものに大きな価値がある。

・「~してはだめ」の認識から、「~したい」へ。




・著作権を含む知的財産権の保護は、日本の未来を切り開く経済活動を保護することでもある。これまで先人達が築いてきたものは、単に便利さと手軽さを追求するだけではない。