1.令和6年度研究テーマ
21世紀の学びを支援する教育の情報化を目指して 〜主体的・対話的で深い学びに向けた授業改善と情報活用能力の育成〜 |
2.主題設定の理由
近年、スマートフォンやタブレット端末等の情報機器の普及が進み、児童生徒の周りには様々な情報があふれ、児童生徒が日常的に情報を活用する機会が増えている。また、AI(人工知能)の発達や更なる情報通信技術の革新によって産業構造や就業構造等が変化するなど、今後急激な社会変化が起こることが容易に予測できる。このような急速に進む情報化社会の中にあって、社会の担い手となり、生き抜いていくためには、様々な知識を獲得するだけでなく、その知識を用いて新たな知識や考えを生み出すことが求められている。
平成29年3月に公示された学習指導要領では、「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善を通して資質・能力を育む効果的な指導ができるようにすること」と述べられており、ICTの活用は目指す授業改善に資するものであると考える。また、教科等横断的な視点に立った資質・能力の育成として、情報活用能力(情報モラルを含む)が示されるとともに、改訂のポイントの「学習の基盤となる資質・能力」の一つとして、言語能力や問題発見・解決能力等とともに、情報活用能力が挙げられている。主体的・対話的で深い学びを実現し、確かな学力を育むためにも情報活用能力の育成は不可欠であると考えられる。
また、令和元年12月には文部科学省よりGIGAスクール構想として「子供たち一人一人に個別最適化され、資質・能力が一層確実に育成できる教育ICT環境を実現する」ための「1人1台端末と、高速大容量の通信ネットワークの整備」が掲げられた。同構想では多様な子供たちを誰一人取り残すことなく、資質・能力が一層確実に育成できる教育環境を実現することが目指されている。
さらに、絶えず変化していく社会に適応していくためには、生涯にわたって主体的に学ぶとともに、他者と協働して問題や課題を乗り越えていかなければならない。これらのことから、21世紀に求められる学びとは、自ら課題を発見し、考え、判断し、表現する主体となり、周りの人やもの、事象との関わりを通じて自らの考えを深めたり広げたりする学習活動であると考える。
人吉球磨地域は、すべての市町村で同じ校務支援ソフトが導入されており、これを用いて出席簿や通知表等が作成されるなど、環境面において比較的進んでいる地域だと言える。また、教職員が管内の異動先でも共通した環境で校務を行うことができる等の利点も生まれている。さらに、これまで10校以上の小中学校が熊本県教育委員会から「未来の学校創造プロジェクト事業」の研究推進校指定を受けるなど、教育の情報化に関する研究が進められ、その成果も広がっている。教育の情報化による教育効果等を更に広げ、教師・児童生徒の力を最大限に引き出していく必要がある。
これらのことから、本研究会の研究主題を「21世紀の学びを支援する教育の情報化を目指して」と設定し、主体的・対話的で深い学びを実現し、児童生徒に生きる力を育む教育の情報化を目指すこととした。
3.研究の視点
令和2年6月に文部科学省が発行した「教育の情報化の手引−追補版−」では、学習指導要領の改訂に合わせ、今後の教育の情報化における方向性として、次の3つが示されている。
○情報教育:子供たちの情報活用能力の育成
○教科指導におけるICT活用:ICTを効果的に活用した分かりやすく深まる授業の実現等
○校務の情報化:教職員がICTを活用した情報共有によりきめ細やかな指導を行うことや,校務の負担軽減等
教科指導における学力向上のためのICT活用
この「教育の情報化の手引−追補版−」の3つの柱を指針として、3つの視点を定め、確かな学力と情報活用能力の育成を目指して、実践を進めることにした。
【視点1】児童生徒の情報活用能力の育成
【視点2】1人1台環境を生かした主体的・対話的で深い学びの実現
【視点3】校務の情報化による児童生徒と触れあう時間の確保
熊本県情報教育システム
登録機関
管理責任者 池田 幸彦
(山江村立山田小学校長)
運用責任者 吉海 雄平
(あさぎり町立免田小学校)