2学年 日本史B「藤原氏の進出と政界の動揺」
授業者 熊本西高等学校 井上 朋美 教諭



授業映像

インタビュー

学習指導案


◆ ICT活用のポイント

 (1)

教師の活用


 

導入の課題提示において、教師が撮影した写真や都を象徴する色でイメージを抱かせるなど、本時の内容を身近に感じ課題に対して興味を持つようにする。

 
課題を明確につかませたり、史料、資料を用いてわかりやすく説明したり、知識の定着を図るために活用する。

 (2)

生徒の活用

 ・

情報を自ら収集、選択し、歴史を身近に感じ自ら学ぶ意識を高めるために活用する。

◆ 本時の展開
(1)
   
 
 
目標

 
   



 
当時の日本は律令制、鎮護国家の仏教など唐の制度を導入し、多大な影響を受けていた。しかし律令制の全盛期と言ってよい奈良時代にめまぐるしい政争が起こる。なぜ政争が起こったのか、またそのことが次の時代にどのような影響を及ぼしたのか考察させたい
  
 
律令国家の繁栄の象徴のようにいわれる東大寺を中心とする天平文化が
花開いた一因について理解させる。
  

 
歴史的資料を見て、資料に基づいて歴史が叙述されていることを理解し、考察する力を育てる。
(2)
展開  


過程

学習活動と主な発問(T)
 予想される生徒の反応(C)

指導上の留意点・評価

備考
ICT活用
導入5分

1 本時の内容について、東大寺、小
野老作の歌を提示し問題提起を行う(本時への意識を高める)。
(T)奈良を訪れたことのある人。東大寺を訪れたことのある人。
(C)ある。
(T)東大寺の大仏を見ましたか。どう   
 でしたか。
(C)見た。大きかった。すごい。
(T)では、この歌を知っていますか。
(C)聞いたことある。

2 天皇と皇親勢力、藤原氏、仏教勢力の関係について触れる。その際の仏教の役割について確認する。

課題(めあて)律令制の全盛期になぜめまぐるしい政争が起こったのか考えよう。

・本時への生徒の興味・関心を高め、参加意欲を引き出したい。些細なことでもいいので活発に発言させたい。

・プレゼンテーションソフトを使用し、教師が資料(写真、色)を示す。

 

 

評価1【関心・意欲・態度】
(発問やワークシートへ取り組む様子)



 

プレゼンテーション資料
PC
プロジェクタ
ワークシート








展開38分

3 聖武天皇と政界の動揺
藤原不比等…系図で藤原氏と皇室
の関係を確認する。
・生徒によるデーターベース検索。

 
 長屋王

 藤原四子…長屋王の変後、光明子の立后が実現し、藤原氏伸張の基になったことを理解させる。

 橘諸兄

 藤原仲麻呂

 道鏡
 藤原百川…称徳天皇の死後、道鏡は失脚して藤原百川に実権が移り、平安時代に藤原氏が台頭していくことに触れる。












 

 

・長屋王を系図によって確認し、
藤原氏との関係について気づかせる。
・貴族の食事についての紹介や木簡(奈良文化財研究所木簡データベース)を使い、歴史への関心を引き起こしたい。
・プレゼンテーションソフトを使用し、教師が資料(写真、系図、音、グラフ)を示したり、史料読解の補助として使用したりする。
・天然痘の流行による藤原四子の死、藤原広嗣の乱など不安を感じた聖武天皇が鎮護国家の仏教へ傾倒していったことを述べ、そのことが当時の文化(天平文化)に現れていることに気づかせる。

・国分寺の建立、東大寺、正倉院(螺鈿紫檀五弦琵琶の音)を紹介し視野を広げる。
・系図や史料(大仏造立の詔)読解をわかりやすいようにスクリーンで示す。安都雄足を紹介し藤原仲麻呂へ焦点を移す。
・仲麻呂の異例の昇進の様子をグラフで示し、天皇との関係が政界で力を握る上で重要であったことを気づかせる。
・鎮護国家の仏教政策が僧侶の政界台頭の原因になったことを再認識させる。

評価2【知識・理解】
(発問への取り組みやワークシートへの記述)

プレゼンテーション資料
PC
プロジェクタ
ワークシート

 















 

終末7分4 平安時代…摂関政治、国風文化、荘園の形成
・ワークシートの人物評伝藤原仲麻呂に記入し、提出する。


【言語活動】(設定の意図)
言語活動の充実を図るため年度当初より人物評伝の作成に取り組んでいる。取り組みを継続させることによって主体的、探求的な活動へつなげていきたい。他者に公表することを念頭に置いて作成を進めさせる。

・奈良時代の政界の動揺の結果、藤原氏が台頭し摂関政治が出現したこと、文化の国風化、荘園の形成など平安時代へつながることを理解させる。


評価3【思考・判断・表現】
評価4【資料活用の技能】

   (人物評伝の記述)

ワークシート