2021年8月の記事一覧

令和3年度(2021年度)第30回熊本県高等学校生徒商業研究発表大会

令和3年7月28日(水)熊本県民交流会館で「第30回生徒商業研究発表大会」が行われました。

コロナ禍であるため、他の高校の発表を見ることが出来なかったこともあり各学校の発表内容と講評を掲載しました。大会の結果についてはサイドメニュー「会員校の皆様へ」-「競技会結果など」に掲載しています。

発表順に掲載しています。

学校名

研究題

 発表番号1 熊本県立阿蘇中央高等学校

総合ビジネス科を自分たちの手で救え! ~ 築き上げる私たちのこれから ~

研究概要

阿蘇中央高校は、創立11年を迎え、私たち総合ビジネス科のこれからを考えたときに、平成30年度入学生の28人に対し、私たち平成31年度入学生は13人と大幅に減っていたことに気づき、私たち自身でこの原因を突き止めたいと考えた。入学者の増減は、その学校の魅力の有無、学校への評価、学校への期待値につながると考えられるため、私たちは、入学者数を増やすことが総合ビジネス科を救う第一歩になると仮説を立て研究を進めた。

 

講評(審査委員)

・総合ビジネス科は実務的な社会に活用できるビジネスを学べる学科であると思います。ぜひPRの成果を期待します。

・現状分析は良くできているが、仮設の検証に至っていないところが惜しまれました。

・これまでにない研究テーマで、今まさに必要なことだと思います。続きに期待します。

・わかりやすく落ち着いてプレゼンでした。

・デジタル戦略を試みようとしたことで、何がハードルなのかを知ることができアナログ戦略に変えた点は良かった。

・貴校の卒業生の方々に協力を依頼してもよいかと思います。

・テーマが非常に難しい中分析・調査は対象を絞り良くできていた。

・パワーポイントに字が多すぎて、理解と進行にズレを感じた。

・成果を工夫して示してほしかった。

・生徒募集は先生たちの仕事と思っていましたが、生徒も取り組んでもらえるとは嬉しいです。

 

 

学校名

研究題

発表番号2 熊本県立熊本商業高等学校

「人と人を『つなぐ』 ~商業を学ぶ私たちに期待されるもの~ 」

研究概要

今回の研究に至った大きなきっかけが、昨年秋にTKUの方からご依頼を頂いた「熊本復興支援 未来へエール」という番組の中で企画された高校生との商品開発コラボであった。昨年夏の豪雨災害により人吉球磨地方に甚大な被害がもたらされた。そこで、人吉球磨地方の復興支援のために菓子店「菓樹」様と共同でスイーツを開発し、TKU主催イベントで販売した。

 ①「グラン菓樹」に出向き、スイーツ考案

 ②被災地の現状を知り、商品案のブラッシュアップを図る

 ③試作品の試食、販売商品の決定

 ④販売実習当日とその後の反響

 この活動を通して、生産者である山江村の栗農家、スイーツを開発する菓子店、そして復興支援活動を応援したい、またコロナ禍において家で過ごす時間が増えた家庭で、楽しいひと時を過ごしたいと考える消費者を『つなぐ』ことで、関わった人たちを元気にすることができることを実感した。そこで、「私たちが人と人を「つなぐ」役割を果たすことで、関わった人たちが元気になることができる」という仮説を立て研究を進めた。

講評(審査委員)

・商業教育は人と人、人と物を「繋ぐ」役割が良くわかりました。

・「つなぐ」を意識したストーリー構成が一貫していた。

・パワーポイントが見やすく、イラストや加工によりわかりやすい。

・SNSの活用や大人との連携が取れ成果が出ていた。

・PR戦略もよく考えられ、媒体に多く取り上げられたのは商品力があるからで、商品開発は自信をもたれて良いと思う。

・これまれ築いてこられた関係性の賜ものだと感じました。

・流通の役割である消費者と生産者をつなぐという視点からの発表は仮説の検証ともうまく合っており、大変興味深い研究でありました。

  

学校名

研究題

発表番号3 熊本県立上天草高等学校

上天草を救い隊! ~かみネマ×しろう部プロジェクト~ 

研究概要

本校が文部科学省の指定を受けてスタートした上天草プロジェクト。私たちは様々な視点から上天草市の現状と課題を学んできました。その中で、急速に進む高齢化と人口減少に着目し、その主な原因は若い世代が地元を離れていくことにあると考えました。また、若い世代が地元を離れていく原因の一つに、地元に住む若い世代が皆で楽しめる場所が近くにないためと考えました。次に、人口減少と私たち上天草市民はどのように向き合っていくべきかを考えました。この課題は地域の経済活動を減速させ、新たな企業の出店計画などにも影響を与え、やがて私たちの生活に大きな影響を及ぼします。しかし、私たちの住む上天草市は人口こそ少ないものの、観光名所も多く、大型連休や長期休暇中は多くの観光客が訪れ、賑わいを見せています。これを上天草市の持つ利点と考え、訪れた観光客に有名な観光名所だけでなく、地域の隠れた名店にも立ち寄ってもらえれば、地域経済を活性化できるのではないかと考え研究を進めました。

講評(審査委員)

・高校生が主体となってつくるシネマは楽しみです。天草の美しい観光も併せてPRできるのではと思います。

・「かみネマ」の実現と「しろう部」を通して上天草市を元気にするという取り組みは非常に評価できる。

・もう一歩問題把握に踏み込んでほしいです。上天草を生かした活動に繋げてほしいです。

・イベントを行う上で大切なのは、企画力・収支計画・販促PRです。「かみマネ」は3点よくまとめられていました。ぜひ実現されてください。期待します。

・事業化に利益を意識していたことは重要な視点。

・地域資源を経済資源に変換することは大切な地域おこし。

 

学校名

研究題

発表番号4 熊本市立千原台高等学校

千原桜を世界的観光資源に ~地域の宝をPR~

研究概要

石碑に記されている記録によると、千原桜が陽春爛漫の候には、市内はもちろん遠くは八代玉名方面からまで観客が続き、各種の露天が並び芝居小屋まで出来て賑わいを呈していたとある。かつて昔は、多くの人々を楽しませていた千原桜。この千原桜を再び多くの人たちに楽しんでもらえないかと考えた。 千原桜についてより深く学ぶため、千原桜保存会より講師をお招きし、ミニ講演会を実施した。そこで得た知識や情報をもとに、千原桜が「熊本市西区の観光資源になっていない」という課題について、ロジックツリー手法を用いて考察した。課題の原因として、千原桜の知名度が低い、宣伝活動ができていない、千原桜の魅力が伝わっていない、西区への観光客が少ない、などがあがった。これらの原因を受け、「千原桜の魅力が伝わるような様々な宣伝(PR)活動や情報提供を行えば、千原桜の知名度があがり、世界から観光客が集まるだろう」という仮説を立て、研究活動をおこなった。

講評(審査委員)

・地域の観光資源の発見、活用と着眼点が良くマップ作製、和菓子の新商品開発とてもよかったです。

・地域資源に価値を見出しテーマを取り上げる視点は良かった。

・千原桜を広めるため様々な手法を工夫して行っていた。持続的な活動として世界に広めてください。

・地域の自然や観光資源を見つめ直し、それをモチーフにした商品開発は観光振興にとって大切なことです。桜の時期にお茶会や演劇などイベントを行ってもよいかもしれません。

・県内にある有名な桜との比較などして違いを出してはどうでしょうか。着眼点は面白いです。

・千原桜を観光資源にすることに着目し、SNS等と通じて検証し取り組んだことに関して評価できる。継続して研究に取り組んでいただきたい。

 

学校名

発表題

発表番号5 熊本県立菊池高等学校

「菊池高校愛物語」 ~学校で新しい恋を見つけてみませんか?~

研究概要

全国的に少子高齢化の状況にあり、菊池市も例外ではなく、高齢化が進んでいる。その課題を解決するために、「婚活プラン」を提案する。「婚活プラン」を実施することによって、カップルが誕生し、結婚して菊池市に住み、子育てを行うようになれば、人口減少に歯止めをかけ、少しでも菊池市の人口増加につながると考えた。紅葉が綺麗な秋に、菊池高校で婚活を実施する。ターゲットは、女性は熊本県内在住の20歳から34歳までの独身、男性は菊池市在住または菊池市で働いている人で22歳から45歳までの独身とする。コンセプトは、学校での生活を体験し、その中で、自分自身や友人が経験したであろう、ドキドキ感や恋心を思い出させてくれるようなものとなり、最後はハッピーエンドで締めくくりたいと考え研究を進めた。

講評(審査委員)

・少子高齢化対策として高校生が市役所や地域の人々を巻き込んだ企画力が良かった。

・高校生が結婚をテーマにするとは驚きました。もっと自信をもって発表すると良いと思います。

・数ある婚活パーティーの中でも学校を舞台とした企画は視点が素晴らしいと思った。募集の方法その後のフォローイベントなどもう少し手を加えたらさらに良いと思います。

・イベント実施を期待します。

・パワーポイントはシンプルで見やすく効果を使うなどレベルの感じた。

・直面する課題に向かう姿勢は立派です。

・もう少し元気よく、段取りすればもっと良かったのではないでしょうか。

 

学校名

研究題

発表番号6 熊本県立八代東高等学校

生姜 × 高校生 × 大学生 =「生姜の方程式」

研究概要

商品開発を行うための材料として、全国でも生産量の高い八代東陽町の生姜を使用する。生姜は、現状として生のまま売られていることが多い。そこで、加工して大量消費が可能な商品とし、さらに生姜のマーケット拡大のために、生姜に馴染みのない若い年齢層をターゲットとする。そのため、手軽に手に取ることができる「ジンジャーエール」の開発を行った。また,コロナ禍における健康志向の向上という観点からも生姜の持つ効能は、とても魅力的な原材料である。今回の「ジンジャーエール」を開発することによって、地元の六次産業化を活性化させる一つのモデルを形成することを狙いとする研究を進めた。

 

講評(審査委員)

・試行錯誤しながら商品開発をしていくプロセスは評価が高い。

・大学生とのコラボの意義や、効果をもっと言及するとリアル感が増すと思います。

・研究熱心な姿が伝わりました。

・商品開発のための市場調査等商品化するまでかなり時間をかけて良い商品ができたと思います。販売促進の為の施策をもう少し工夫したら尚良かったと思います。

・高大、農商、横断的な連携がとても良い。

・ジンジャーエールからシロップに変更したこともよかった。

・テーマを生姜に絞った部分についてもう少し詳しい説明があるといいです。

・生姜を用いた商品開発の難しさがあったが、道の駅東陽でも販売にこぎつけることでき、八代をアピールできていた。

 

学校名

研究題

発表番号7 球磨中央高等学校

人吉球磨は負けない~豪雨災害、コロナ禍からの復興~

研究概要

昨年7月の豪雨災害で、私たちの住む人吉球磨地域は甚大な被害を受けた。人吉市中心部の商店街は4mも浸水し、物産館、旅館街、国宝青井阿蘇神社等、多くのものが被害を受けた。仮設店舗で営業を再開した店舗もあるが、コロナ禍で、観光客はほとんど無く、来客もわずかで、非常に厳しい状況である。

このような厳しい状況の中、被災した店舗等のために、何か出来ないかと考え、豪雨災害で被災した店舗の復興支援、コロナ禍で非常に厳しい観光分野の支援を今回のテーマに設定し研究を進めた。

講評(審査委員)

・ライブコマースやオンラインツアー等新しい手法を取り入れ地域の復興支援を行ってよい企画であると感じました。

・豪雨で被災した人吉を「ポータルサイト」、商品販売のための「ライブコマース」、人吉球磨の「オンラインツアー」を活用した取り組みは評価できる。発表に関してもわかりやすい発表でした。

・発表の途中から感動して涙が溢れてきました。

・DX時代を意識した良い発表でした。

・地域に根差した高校であることが良く分かり地域のための活動であることも評価されます。

・映像を上手に使った素晴らしいプレゼンでした。

・発表に練習の成果が出ていた。効果的に動画が配置されていた。

・デジタルの特性を生かした取り組みは先進している。

・地元企業の復興支援を実践し、地域に寄り添う姿勢が伝わった。

 

学校名

発表題

発表番号8 熊本県立鹿本商工高等学校

「コロナに負けない商品開発」地域に貢献 あったらいいなをカタチに

研究概要

私たち鹿本商工高校の商業系学科(商業科・情報管理科)では、これまで本校独自の店舗型販売実習施設「かざぐるま」の運営や地域のイベントに参加して、商品の販売や鹿本地域の特産物を生かした商品開発に取り組んできました。これまでの商品開発では、地元の企業の方々と協力し本校生徒が考案した商品やパッケージ作りを行ってきました。地域でのイベント参加がコロナ禍により難しい状況の中、私たちができる商品開発で地域に貢献したいと思い、テーマを設定し研究を進めた。

 

講評(審査委員)

・コロナ禍においてできることを生かす過程は必要条件をクリアできていた。

・学校の「商」「工」を体現した活動で、連携がしっかりとできていた。是非、販売まで実践し、販促、PR、マーケティングまで学んでください。

・研究プロセスについて詳しい説明が欲しかったです。

・発表もわかりやすくまとめてあったと評価できます。

・同校の商業と工業があることで、商のマーケティング、工の技術を生かして製品の作成を効果的にできた取り組みであったといえる。

 

  

 

0